大学受験でみんなが悩むのが、「志望校の難易度」。第一志望の大学ともなると、模試の結果でE判定がつくことも珍しくありませんが、判定が悪いと「志望校のレベルを下げたほうがいいのかな?」と不安になる人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、「志望校のレベルは何を基準に決めるとよいのか?」を解説していきます。
どのくらいの難易度の大学を目指す? 志望校のレベルの決め方
志望校のレベル設定のポイントは、以下の通りです。
- 「努力をすれば届く」と自分が思える状態であれば、レベル設定は高くてもよい
- もし「達成できると到底思えない」という状態でれば、レベル設定を見直したほうがよい
つまり、「模試でE判定なら見直す」といった一律に決められる基準ではなく、あなたの気持ちの状態で決めてよい、ということです。
志望校のレベル設定と不安の関係
なぜ志望校のレベル設定(=目標設定)をあなたの気持ちで決めていいかというと、目標の高さに応じて「不安の大きさ」が変わるからです。そのため、あなたが今抱えている気持ちが“ちょうどいい不安”であれば目標設定が適切、不安が大きすぎる場合は目標設定が適切でない、と考えることができます。それを分かりやすく表したのが、以下の図です。人が学んだり成長したりするときには、以下の3つゾーンのどこかにいると言われています。
コンフォートゾーン(快適空間)
コンフォートゾーンは、「努力しなくても順当に達成できる」という目標を立てたときの状態です。ストレスがない代わりに、特に頑張らなくてもよいので、あまり成長はしません。
ラーニングゾーン(背伸び空間)
ラーニングゾーンは、「努力をすれば届く」と自分が思える目標を立てたときの状態です。頑張る必要はあるので不安な気持ちにもなりますが、落ち着いて努力することができるため、一番力が伸びやすい状態です。
パニックゾーン(混乱空間)
パニックゾーンは、「達成できるとは到底思えない」「現状と離れすぎている」という目標を立てたときの状態です。名前の通りパニック状態のため、冷静に学ぶことができず、力が伸びません。少し意外かもしれませんが、「目標は高ければ高いほどいい」というわけではないんですね。
志望校のレベル設定は「気持ち」で決めていい
この理論で一番大事なポイントは、「どのゾーンにいるかは、あなたの気持ちが決める」ということです。模試がC判定であっても、「達成できると到底思えない」と焦ってしまう場合は、パニックゾーンにいるかもしれません。模試がE判定であっても、「努力すれば届く」と思い、落ち着いて作戦を立てて学習できていれば、それはラーニングゾーンです。模試の判定や周りの声などに流されず、自分の状態をしっかり見て、自分がラーニングゾーンにいられるように志望校を決めれば大丈夫です。あなたは今、どの状態でしょうか?
ちなみに、「自分が行きたいと思っている大学があるけれど、レベル的にはコンフォートゾーンかもしれない」という方もいらっしゃると思います。大学は偏差値だけで決めるものではないので、無理に難しい大学に志望を変える必要はまったくありません。堂々と行きたいところへ行きましょう。ただし、前述したように力が伸びづらい状況ではあるので、「高校卒業までに英検◎級を取ろう」など、別の目標を立ててみるのもおすすめです。
高すぎる目標になってない? 志望校のレベル設定セルフチェック
志望校のレベル設定チェックリスト
自分の気持ちの状態で決めていいとはいえ、「今の自分ってどういう状態なのかな?」と迷ってしまう人もいるのではないでしょうか。そこで、以下のチェックリストを用いて、自分がラーニングゾーンにいるかどうかを確かめてみましょう。
3つ以上チェックがついていれば、志望校はそのままで大丈夫です。もしチェックが少なかった場合は、パニックゾーンに足を踏み入れているかもしれません。
目標が高すぎる場合の対処法
自分がパニックゾーンにいるかもしれない場合、対処法は大きく2つあります。ただし、ひとりで抜け出すのは大変なため、必ず学校や塾の先生、保護者の方などに相談しながら決めましょう。
対処法① 目標を変える
ラーニングゾーンになるまで、一度志望校のレベルを下げる方法です。まずは落ち着いて学習できるようになることを目指しましょう。
対処法② マイルストーンを置く
「合格」といった、遠くて大きい目標だけを見据えると、パニックになりがちです。近くて小さい目標を手前に置くことで、落ち着いて進むことができます。例えば、「まずは次の模試でD判定に上げよう」「前回できなかった数学のこの単元を、今週中に問題集で勉強しよう」といった、達成できそうな目標を置くとよいですよ。
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まとめ
以上、「志望校のレベルは何を基準に決めるとよいのか?」を解説しました。
【おさらい:志望校のレベル設定のポイント】
- 「努力をすれば届く」と自分が思える状態(=ラーニングゾーン)であれば、レベル設定は高くてもよい
- もし「達成できると到底思えない」という状態(=パニックゾーン)であれば、レベル設定を見直したほうがよい
- パニックゾーンにいる場合は、ひとりで解決しようとせず、周りの人に相談する
受験勉強中は不安になることもありますが、ラーニングゾーンにいるのであれば大丈夫。落ち着いて計画を立てて、学習を進めてくださいね。